機械翻訳を使うべきか - 翻訳後の言語が現地の人に伝わっているか確認していますか?
機械翻訳は日々進歩していると言われますが、機械翻訳の品質については、一言で言い表すことができません。機械翻訳が全く使い物にならない分野もあれば、繰り返しが多いIT関係では早くから機械翻訳が導入されている分野もあります。
各分野で活躍する翻訳者に話を聞いた話をまとめると、機械翻訳後のポストエディットは翻訳よりかなり大変で、でも受け入れるしか道はないという結論に至っているようです。
本当にそうでしょうか。翻訳業界は担い手がなくなるのでは危機感を募らせる方もいます。
機械翻訳後のポストエディットを数件受けたことありますのでその経験を書きます。
ポストエディットの作業は、機械翻訳で訳せなかった文や不自然な文章を直すだけだと思われているかもしれません。翻訳機と相性がいい分野でない限り、文章を直すだけでもいろいろと手を入れ始めたら翻訳作業に近い時間がかかります。だからといってポストエディットの翻訳が人手翻訳と同等レベルにはなりません。ぎごちなさ、英語文を臭わせるそれなりの文章です。それに加え、専門用語の間違い、用語の揺れ(←これは本当にひどい!)、訳し漏れ、文章の構造上の誤り、同じ単語の繰り返し、原文にない単語やフレーズの出現など(←経験がない人なら信じてしまうかも)、人が訳せば間違うはずがないところでも機械翻訳が正しく訳す保証がありません。ですから翻訳チェックの要素を大いに含むポストエディットの作業はどこに間違いが潜むか分かりませんので気が抜けません。
真面目にポストエディットをしたら、また翻訳者は個人事業主が多いですから経費も差引いて考えたら、納得した時給がもらえるでしょうか。翻訳者という専門職の仕事は頭脳を使いますので多くはこなせません。対価と作業による疲労度合を天秤にかけるとポストエディット作業は帳尻が合うのでしょうか。
結論から言うと、ポストエディットをするなら割り切るしかありません。そして、翻訳を発注した側もそれなりの文章と間違いが潜むかもしれない現実に我慢するしかありません。
翻訳を発注する方にはぜひ知ってほしい。
翻訳後の言語が現地の人に伝わっているかご存知ですか?
翻訳会社から機械翻訳の導入すれば費用が抑えられると言われ信じ込んでいませんか?